第2章 薔薇は赤く、美しく
まあなんだ、今日は全体的に平和だったな。というわけでなんでかわからんが呼び出された(平和とは)呼び出し元は担任。初日からそんな問題児なことはしてないつもりだが……
『どうも』
「ああ、来たか仔犬」
この人ほんとに癖強いよな。ますます悪魔にいても違和感ない。
「…なにか、心当たりはあるか」
『……いえ、申し訳ないながら。私がなにかしたか』
「教師には敬語くらい使え…まあいいだろう」
えっ、そのお叱り?なわけ
「本当に、心当たりはないのか」
う〜む、申し訳ないが本当にないな。一体全体なんだっていうんだ。
「……デイヴィス・クルーウェルの名くらい、覚えていて欲しかったがな、シルヴァ」
…………そういう感じかい?
『あれかい?ミラーで会話した過去があるっていう感じかい?』
「…そうだな」
はいデジャヴ。
『悪いね、過去ミラーで会話した人が多すぎて覚えられないんだ。なにせ随分と永く生きてるもので、最近は記憶力が衰えてきてね…』
え、私それだけのために呼び出されたのかい。
そのまま少し話して、何もないから帰っていいということにされた。まあいいかと思い、部屋を出る。なにやら騒がしい。何事やら……そういえばまだ夕食をとっていなかった。食堂を借りよう……
「あなたたちは!!一体何をしているんですか!!!」
クロウリーの怒号が耳に届いた。