第6章 ろく
清光がそう言ってニッコリと笑った。
「まずはアンタが手本を見せてくれ」
私より上手な神さま。
刀鍛冶の妖精さんにも差し入れてなかったしと、作業をやめる。
パソコンを閉じると、3人とも少し嬉しそうだった?
「休憩にしましょ。そうだ、あと鍛刀した子達も迎えに行かないとね」
人数が増える前にと、仕込んだおやつを食べてしまって、残りは刀鍛冶の妖精さんへの差し入れ。
手渡すと喜んでくれたわ。
「ねぇ主」
「なぁに?」
「同位体が来たらどうするの」
「んー。…私ね、一振り制を取りたいなと思っているの。大事にしたいから。だから、連結や強化他は」
「ん。そ、わかった。言いにくいこと言わせた、ごめんね」
「いいえ、大丈夫よ」
「じゃあ、コレは俺だし、あっちは小夜。でー、あっちの3振りは国広だから、とりあえず保管庫でいいんじゃない?」
「ありがとう。そうするわ。じゃあ、いくわね」
祈るような思いで、手をかざす。
15振り、新しい子が来る。
どうか、3振りのなじみの子が来ますように。
ぶわぁっつつと桜が舞う。
その量に少しむせそうになりながら、懐かしさを感じた。
この桜の中なら、貴方に会えそうな気がした。
…のに。
やっぱり貴方はいない。
でもいいの、次の楽しみだと思うことにしたわ。
三日月、堀川、和泉守、宗三、一期、鳴狐、乱、秋田、前田、薬研、明石、蛍、愛染、蜂須賀、歌仙。
全員顕現させるのに少し疲れてしまうほど、霊力を消費してしまった。
こんなに来てくれたのに、清光は相棒が来なくて少し寂しそうだった。
小夜も江雪兄様にも会いたいと、宗三に抱きしめられながら言っていたから、当分は鍛刀に勤しまないとと自分に喝を入れた。
「主」
「なに?」
「仕事は終わったのか?」
「今は国広がサボってないか、監視するのが仕事」
「俺がサボるように見えるのか?」
「全然。どっちかっていうと、私がサボってる。いいでしょ、もうすぐ顕現の時間だし」
「また鶴丸か」
「また鶴丸だね」
私を見ずに落ち葉を掃く。真面目な国広が仕事をサボるなんて槍が降る。
「…審神者の仕事には慣れたか?」
「みんなの怪我には慣れないかな。事務処理はまだ楽だよ、みんなの手当てに比べたら」
「力を使うもんな」
「違うよ」