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先生と僕

第6章 ■思春期の葛藤


「先生がかっこいいって言ってくれないんです!」
相談があると珍しくナタの方から切り出されたのではりきってお茶を用意していくらでも聞いてやろうと思ったらこれである。酒にすればよかったとジェマは浅く座り直した。
「先生よりも背が伸びたのに。声変わりもしたのに。同じ武器も扱えるようになったのに。大人になってきたって言ってくれたのに、未だに『ナタはかわいい』って言うんです!」
そりゃあ背が小さくて声も高くて泣き虫な子どもの頃から知っているのだから私らからしたら弟みたいなもので、弟はいくつになったってかわいいもんだよ。
と説明したところでナタは納得しないだろう。
ジェマやアルマはともかく、先生と呼ぶにナタはずっと恋しているのだから。
「オリヴィアさんにはかっこいいって言うのに」
「あの人は別格でしょ」
「うう……もっと頑張れってこと……!?」
高すぎる目標に苦悩するナタはジェマから見て十分にカッコいいし、性格も真面目で落ち着いているので実は結構モテる。本人は先生しか見えていないので気づいていないが。だからハンターの美的感覚がおかしいのか、全く脈がないかのどちらかだと思うのだが。
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