第4章 ■少年期の一幕
「ハンターじゃなきゃダメ?」
「それはないけど、ハンターは辞めない」
「辞められると困ります!」
ジェマの疑問に答えるとアルマが食いつく。彼女にとってもそうなのだろうとハンターは頷くとジェマはでもと続けた。
「自分より強い方がいいだろ」
「まあ……ある程度は。でも精神的な強さの方が大事」
「喋りすぎず静かすぎず、知識もありハンター業に理解もあり、ある程度の肉体的強さと精神的な強さかぁ……見た目は?」
エリックがこれまでの話をまとめ、外見について追求するもハンターはピンときていないらしく髪の色や長さ、体格や顔立ちを聞いても首を傾けるばかりだ。
まあそうだよなあと場の雰囲気が諦めに入ったところで新たな口が挟まれた。
「面白そうな話してるな。 ハンターのタイプか?」
「ロッソ」
「例えばこの中ではどうよ?」
エリック、ヴェルナー、オリヴィア、アトス、アルマ、ジェマ、ロッソ……オトモと指をさされた順に見比べて、最後に横で静かにお茶を飲んでいたナタと目があった。
「ナタが一番かわいい」
かわいいは違うだろと大笑いでハンターの背中を叩くロッソと、顔を見合わせ苦笑するジェマとアルマ、それぞれの物差しで考える星の隊三人とやれやれと肩をすくめるアトス、そして必死で素知らぬフリをしていたのにとんでもない爆弾を落とされてカップを握りしめたまま真っ赤に染まるナタ。
うん、やはりナタが一番だとハンターは癖のある黒髪をそっと撫でた。