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先生と僕

第4章 ■少年期の一幕


いつもの夜の鳥の隊と星の隊で意見交換しながらの食事の席でよい酒が入ったお陰かいつもよりもご機嫌なエリックからその話は始まった。
「ハンターってさあ、どんな人がタイプ?」
「なんだエリック、惚れたのか」
こちらも珍しく饒舌なヴェルナーが茶化す。慌てるのはナタだけで周囲は面白い話が始まったと興味深々だ。首を傾けるハンターにエリックはタルジョッキが零れる勢いで両手を左右に振って否定する。
「ゴメンゴメン、そうじゃなくてハンターみたいに超強いヒトってどんなヒトに惹かれるのかなって興味ない?」
「武器種の好みか」
「ヴェルナー的にはそういう感じ。で、どう今好きな人は……いないよねー」
ハンターの反応を見てエリックはわかってたと言わんばかりに大きく頷いて見せる。エリックもヴェルナーもハンターに対して好印象を抱いているし、ハンターもそうなのだがそれはあくまで禁足地調査隊の仲間としてであって恋愛的な興味はない。
そこでこの中では模範的優等生であるアルマが声をあげる。
「プライベートを踏み込んで聞くのは失礼ですよ!」
「大丈夫」
ハンターとしては本当に思い人や恋人がいるというわけではなく、また星の隊のメンバーが決してハンターを馬鹿にして楽しんでいるわけではなく知的好奇心から聞いているのは理解しているので話すこと自体は問題なかった。有用な情報を提供できる自信はないが。
「良かったーじゃあどういうヒトがタイプ? 行動的な方がいい? 静かな方?」
必然的にエリックとヴェルナーを見る。
「エリックとヴェルナーを足して割るくらいがいい」
「確かに!」
「笑いすぎだよリヴィ!」
アルコールのせいか腹を抱えて笑うオリヴィアと口では嗜めながらも同じように楽しそうなアトスを見、アルマが思い切ったように口を開く。
「何かしらの専門的な知識はあった方がいいですよね?」
「それは……まあそう」
少し考えてハンターは肯定する。これまでの経験から何らかの専門家のほうが性格的に付き合いやすいことがわかってきたからだ。普通は逆なのだがそれを指摘する者はこの場にはいない。
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