第2章 ■思春期の終わり
「クエスト完了しました!……先生、どうかしましたか」
すぐに異変に気づくナタにふにゃりと眉を下げたは
「ナタ……いなくならないで」
とその成長途中の手を掴んで懇願するのでナタも困惑してとオリヴィアの顔を見比べた。
「何でいなくなる話になってるんですか!? 西に戻るならついていくって言いましたよね!?」
「でも……もうナタも大人になるから」
「……そうですね」
エリックがいればその様子に違和感を覚えただろう。ナタのを見る目が捕食者のそれに近いことに。
「僕は先生とずっと一緒にいたいです。先生が認めて、許してくれるなら……」
ナタの言葉に首を傾けるとオリヴィアと違い付き添っていたアトスは咳払いをして場を制した。
「その話は後で、二人きりで」
「そうですね、帰りましょう先生!」
「ああ、帰還の先導は任せて」
いつもの調子に戻ったにオリヴィアは安堵し、アトスはナタの脚を鼓舞するために叩いた。