第2章 ■思春期の終わり
捕獲したモンスターの処理をするナタを眺めながらは感慨深く頷いていた。
「もう一人前だな」
「そう思う?」
の嬉しそうな声にオリヴィアも笑った。
モンスターに怯えていた小さな少年はもうどこにもいない。生態系を理解し、守ろうと努める一人前のハンターの姿がそこにはあった。師匠として持てる業の全てを注ぎ込んだの喜びは一入だろう。
「彼の隊の名前を決めなくてはね」
だからオリヴィアの提案はポジティブな話題のつもりだった。
「えっ……!?」
ドシャグマの一撃を受けたような声をはあげる。その表情は困惑に塗りつぶされていた。
「ナタがいなくなる?」
「分隊すれば別行動も増えるだろう。もちろん我々のように共同でクエストを受ければ」
「ナタがいないのは嫌だ」
珍しい否定の意思にオリヴィアは目をぱちくりさせた。アルマやジェマが離れたとしても二人の自由だからとけろりとしていたハンターが今にも泣きそうな表情で狼狽えている。
「君は元々ソロハンターだったじゃないか」
「でも……オリヴィアはアトスがいなくなったらどうする?」
「それは確かに困るな」
確かに最近はすっかりナタがの私生活の世話をしていると言っても過言ではない。しかしの反応はまた違う気がする。のだがオリヴィアにははっきりと掴めない。後でエリックとヴェルナーに聞こうと決めるとちょうどナタが戻ってきた。