【WIND BREAKER】夜が明けたら【R指定】
第3章 人嫌いってやつ
いつも私が通る道と違って、商店街を通ってないが、その方向が自分のマンションだと分かる。
「うっ梅宮くん!!」
いい加減走るのにも疲れて、私は梅宮のくん名前を呼んだ。
梅宮くんが私の声でピタッと止まるって、振り返って私を確認した。
私は息をかなり切らしていて、大きく肩を上下させながら、下を向いて呼吸を整えていた。
「……………。」
梅宮くんはそんな私を黙って見下ろしている。
私はその沈黙に耐えかねて顔を上げた。
梅宮くんが止まった場所がもう自分のマンションで、私は息を吐きながらマンションを見上げた。
梅宮くんと2人でここにいると、嫌でも昨夜のことが思い出される…。
私は顔を顰めて梅宮くんを見るが、彼もまた同じ様な顔をしている。
何か言いたそうな梅宮くんの言葉を待った。
だけど梅宮くんは何も言わないで私を抱き締めた。
「っちょっと…こんな所で……っ。」
マンションは商店街から道一つ奥になるが、それでも人通りが少ない訳じゃ無い。