【WIND BREAKER】夜が明けたら【R指定】
第3章 人嫌いってやつ
人目を気にして私がが梅宮くんの肩を掴んで押すが、梅宮くんは全然離れない。
それどころか梅宮くんの顔が肩から離れると、明らかにキスをしようと顔を近付ける。
咄嗟に梅宮くんの唇を手で塞いだ。
風鈴高校の制服を着た、目立つ長身が通りすがりの人の目線を集める。
私は通り過ぎるサラリーマンと目が合って、顔が赤くなる。
「ここが嫌なら、早く俺を沙織さんの部屋に入れて、早く!」
余裕のない梅宮くんの顔が、必死に訴えている様だった。
声を荒げられたら余計に人が集まって来る。
私はぎゅっと目を顰めて、梅宮くんの腕を掴むとマンションの中に入って行った。
ピッタリと私の背中にくっ付いて、エレベーターの5階のボタンを押したのは梅宮くんだ。
その指を辿って、梅宮くんを見上げると、すぐに梅宮くんの顔が近付いて私にキスをした。
「っ!!」
勢いがあったので、思わず後退りした私の背中がエレベーターのドアにぶつかった。
昨夜ぶりの梅宮くんの唇に、私はぎゅっと目を瞑った。