【WIND BREAKER】夜が明けたら【R指定】
第2章 出会いってやつ
私が呆然としていると、彼が私の顔を覗き込んだ。
「……なんだ……怪我じゃ無いんだ……。」
彼の言葉にハッとして、私は眼帯を取り返した。
眼帯を付けようとすると、その私の手を掴んで後ろにあった自販機に私の手を押し付けた。
「何で怪我してないのに眼帯なんて付けてたの?」
「…………。」
私は彼に言われても、何も言えないで彼を見返しているだけだった。
「…あれぇ?君の目、珍しいねぇ。」
(おっそ!!)
喋り方だけじゃ無くて、私の目に気付くのも遅かった。
「……その目隠してるの?」
「……………。」
そんなの聞かなくても分かるだろ。
どうせ『そうだ』と言ったら、その理由に納得するだけの癖に。
「ねぇ、口聞けないの?」
さっきお構いなくと言ったでしょうに。
彼の話すペースがよく分からなくて、答えるのも苦労した。
「……手を離してよ…。」