第18章 初めての買い物
こうして朝食を終え、デザートを頬張る悟空を見ながら八戒は三蔵と話をしていた。
「…三蔵?」
「なんだ」
「明日出発なんですよね?」
「あぁ。そのつもりだ。」
「よかった…」
「どうかしたのか」
「いえね?今朝から白竜が体調悪そうでして…。今日一日あれば問題なく回復はすると思うのですが」
「そうか」
「はい。それで、買い出しをしたいなと思っていたのですが。」
「ぁあ?」
「理世と悟浄に任せてもいいですか?」
「好きにしろ」
「分かりました。」
「なぁなぁ!俺は?」
「悟空は三蔵と一緒に居てください?」
「いらねぇよ」
「えー!ひどっ!三蔵と一緒に居る!」
「ハァ…」
「たまには三蔵サマが買い出しに行ったらどうよ」
「たまには女引っ掻けるんじゃなくて買い出しにでも行ったらどうだ」
「うぇえ…」
「え、それとも何?私と一緒の買い出しが嫌だって事ね?二人とも…わかった…」
「へ?」
「は?」
「カード、貸して」
「…おい」
「一人で行くからいい」
「…持てねぇだろうがよ、あのバカ猿の食料だけで腕がもげんぞ」
「いいもん。もげたって誰も困らないから一人で行かせようとしてるんでしょ?」
『「わーったよ」「分かった」』
三蔵と悟浄の言葉がきれいに重なった。
「…三人で行ってくるね?八戒、白竜と悟空の事、お願いね?」
「クスクス…理世にはかないませんね…」
「フン…」
「俺いなくてもよくね?」
「何かいった?」
「いえ、なんでもアリマセン」
片言にも似た口調になりながらも、三人で買い出しに向かうことになった。