• テキストサイズ

緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第18章 初めての買い物


難なくと着々買い出しも進む。

「…これで最後?」
「たく、ほとんど悟空のもんじゃねぇのか?コレ」
「だろうな。」
「つぅかよ、なんでそんだけしかもってねぇんだよ、三蔵。」
「十分だろうが」
「けっ…おじいちゃんが…」
「何か言ったか…」
「別に?」
「理世と同じくらいしか持ってねぇじゃねぇのか?」
「フン…」
「少しでも持ってくれたら助かるよ?」
「俺がその分持ってんだけどよ?」
「ね」

くすくすと笑い合いながらも三人で仲良く買い出しをする。一軒の店に気づいた理世だったが、少し言い出しにくかった。

「…じゃぁ、これで終わりだね」
「帰るぞ」
「ん!」

宿に戻れば八戒におわったよーと報告をする。

「…三蔵…」
「ぁあ?なんだ」
「カード貸して?」
「なんでだ」
「買い忘れ!」
「ぁあ?何買い忘れたんだ」
「秘密」
「却下」
「……かわいい雑貨屋さん見つけたの!」
「だったらさっき言えばよかっただろうが」
「男の人二人一緒に行くのも…ちょっとかわいそうかなって…お願い!」

顔の前で両手を合わせて理世は頼み込んだ。あまり言わないその状況に三蔵は小さくため息を吐いてカードを差し出した。

「…無駄使いすんなよ?」
「ありがと!!」

お礼を言って理世は三蔵からカードを受け取れば宿を後にしていく。それを見て八戒は声をかけた。

「…三蔵?」
「…たく…」
「何を買いに行ったのでしょうか…」
「くだんねぇモンだ」
「くだらない…ですか?」
「気付いてねぇとか思ってる理世がめでてぇよ」
「でも、それでよく許可しましたね、あなたが…」
「フン…たまには無駄遣いもいいだろ」
「三仏神さんから怒られませんか?」
「知らん。怒られたらあいつに投げるだけだ」
「理世に、ですか?」

あっちだと言わんばかりに顎でくいっと悟浄を指示した三蔵。

「…まぁ、なんとなく予想は尽きましたけど…そんなお店ありました?」
「…」

無言の肯定をする三蔵にふふっと八戒は笑っているのだった。
/ 303ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp