第2章 離れて解ること
あの仕事は…?
あのプロジェクトの資料、提出してそのままだった…
自分自身がここにいるってことは…あの世界線の自分は死んでしまっているのだろうか…?
…でも、確か意識を失ったのが、金曜日。土日休みの会社だからみんなが気づくの早くて休み明けの月曜日だ…
「大騒ぎになるだろうな…」
「…何か言いましたか?」
そう問いかける八戒の質問に理世は小さく首を左右に振る。今更考えても仕方がない…そう思いなおした理世は、この世界線でどう生き延びるか…それだけを考えていこう…そう思ったのだった。
「…ねぇ、八戒?」
「はい?どうかしました?」
「あのね…?私正直ここでの生活に不満はないんだけど…それでもわからないことってたくさんあると思うの」
「えぇ」
「だから…また何かわからなくなったら教えてくれる?」
「もちろんですよ。」
「なになに?理世よくわかんねぇの?」
「悟空…まぁ、そうだね」
「いいんじゃね?」
「え?」
「理世にはかわりないんだろ?」
あっけらかんと言いのける悟空にすべて悩んでいたことがバカらしくも感じてきた理世は『そうだね』と返事をするのだった。