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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第16章 続く沈黙


そして殺り終えれば三人はジープに戻ってくる。

「たまにはお前も参戦しろよ、三蔵」
「知らねぇな」
「知らねぇじゃねぇだろ、お前の経文目当てだろ?あいつら」
「呼んでねぇ」
「……・・だぁーー!くっそ!」

そういわれ続けて悟浄はどかりとジープに乗り込んだ。

「静かに乗れねぇのか、貴様は」
「うるせぇよ、」
「…機嫌…悪いね、悟空」
「だよな…」
「はい、それじゃぁ動きますよ?」

そうして八戒は何も言わずに走り出す。ある程度進めば昼食のと休憩を兼ねて駐車する。そこからはいつも通りだった。ある程度走れば三日は野宿は確定のため、早いうちに場所を決めて場所を確保する一行だった。

***

それから翌日も何も大きな問題はないままに三回目の野宿を張ろうかという時。

「…明日には着きそうですね」
「腹減ったぁー」
「そういわないでくださいよ。十分というには少ないかもしれないんですけど用意してきてるんですから…」
「貴様が食い過ぎなんだよ。」
「悟空?私のあげるよ」
「え?!いいの?」
「てめぇは自分の分しっかり食え」
「そうですよ?理世」

そして最後の野宿もあとは眠るだけ…それだけだったはずだった。

「…眠れねぇの?」
「…悟浄…?」
「ちょっくら散歩でもすっか?」
「…でも…」
「遠く離れなきゃ大丈夫だろ。」

そうして理世を悟浄は連れ出した。それに気付いていないのは悟空のみ。

「…全く…あの人は…」
「しょうもねぇ…」
「まぁ、ここずっと不機嫌でしたし?」
「知らねぇよ。野宿ではさすがにやらねえだろ」
「そう思いたいです」

そんな会話がなされているとは思いもよらない二人。三人から少し離れて歩き出した。

「…で?聞いてもいい?」
「何?」
「何怒ってんの?」
「怒ってないよ」
「…怒ってねぇとしても不機嫌だろうがよ」
「不機嫌は悟浄の方じゃない…」
「…それは…」

ぴたりと足を止める理世に振り返る悟浄だったものの、ため息を吐いていた。
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