第2章 離れて解ること
♢ pov.理世 ♢
どうしてだろうか…転生したときのボーナスポイント、なのだろうか…
このまったくもって知らない世界の文字が読めて、会話もできて、普通に日本語を話している様に何不自由ないと来たものだ。今まさに目の前で会話をしているこの四人然り…
金髪の目つきの悪い三蔵法師…玄奘三蔵…それしか知らない。果たして本名は何なのか…それもわからない。ただ、煙草を空気のようにスパスパと吸い散らかす…ちなみに銘柄は赤マル…っと…
小さい子供のようなのは孫悟空…猿と言われればよく怒る。ちびだと言われるものの、私とそう背は変わらない。と言う事は男性でいえば小さいほうなんだろうけど…燃費が悪いとのことなんだけど…本当はどのくらいなんだろうか…
片メガネの猪八戒…嘘くさいヘラっとした笑みを浮かべるものの、おそらくこの四人の中で怒らせたら一番怖いタイプじゃないかな…?戦い方って言ってもなんかアニメで見たカメカメ派みたいなどぉーんってのを使ってる…
そして・・・
赤髪って言われてるけど…緋色の長髪の沙悟浄…なぜかな…四人の中で一番気になる…三蔵と同じようにスパスパ煙草を吸うんだけど…煙草の匂いなんて苦手だったはずなのに…ハイライトの香りもきついはずなのに…なんでかくらっとする…三蔵にはないのに…
…っと、この半日くらいでわかった事…
なんだろう…苦手な人種ばっかりのはずなのに…自分が生きるためにはきっとこの人たちが必要で…
まぁ、妖怪とか…本当にえぐい位に来るみたいだから…
「……そっか…」
そう呟いたのは無意識だった。ちらりと横目で見る悟浄の横顔に一瞬だけドキ…っとしてしまったり…
本当になんだかいろいろと体に悪そうな一行との旅になりそうで…でも…
この人となら一緒でもいいのかも…しれない…