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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第2章 離れて解ること


それから次の街についた時、相も変わらずに『腹減った!』と連呼している悟空の胃袋を満たす意味も兼ねて、食堂にまず向かう一行たち。

「何食べましょうねぇ…」
「選べれんのかぁ?第一に」
「うまけりゃ何でもいい!」
「悟空…」
「お前にゃ聞いてねぇって!」
「どこでもいい。」

そういう三蔵のひと言で店は決まる。こうして中に入っていく五人だったものの、理世は少しだけ緊張気味だった。

「…どうかした?理世」
「悟浄、さん」
「だぁから…」
「あ、悟浄…」
「ん?」
「あ、その…こういうの慣れてない感じだなって…」
「んなことねぇだろ、…って、そっか…」
「ん」
「んじゃ、一緒に決めますか」
「…あ、そこまでじゃない…」

一瞬でフラれた悟浄。それでもメニューに食いつくようにして覗き込んでいる理世。

「…(不思議…全部…読める…)」
「俺きーめたっ!!」
「どうせ全部!とか言い出すんだろうが…」
「え、全部でもいいの?!」
「三蔵、藪蛇でしたね」
「……理世は?何にする?」
「えーっと…」

そこにはおいしそうに書かれている中華メニューが目白押しだった。

「とりあえず…担々麺、かな?」
「え、理世それだけでいいの?」
「はい?」
「だって…足りねぇじゃん!絶対!」
「てか、それは悟空の考えだろうがよ」
「同意だな」

そうしてそれぞれが注文し終えた時だ。煙草を吸う様に灰皿を探す三蔵。それに気づいたのだろう、理世は店員に灰皿をもらいコトっと置いた。

「悪い」
「ううん、大丈夫」

そうして一つずつ理世の中で人物像を確立していくのだった。
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