第13章 苦いクスリ
ぽぅ…っと緑色の淡い光が理世の額に優しく光る。赤く紅潮した頬も心なしかだいぶ落ち着いたように見えた。
「…明日になれば恐らく問題なく下がっているかと思いますが…」
「そか」
「ただ、明日の出発は延期にするそうです。」
「…優しいコト」
「なんだかんだ言っても三蔵も女性には優しいので…」
「いんや、女性っていうより理世にってのだろ?」
「…そう思います?」
「あぁ。もう、保護者だ。悟空だけでなくな」
「理世のが年上なんですが…」
「…確かに、介護…か?」
「それ理世にいったら怒られますよ?」
「クハ…だな」
そうして小さく笑いながらも時期にスン…と真顔になる八戒。
「…これに懲りたら少しは加減してあげてください」
「…あぁ」
「あなた基準で考えないでくださいね?一晩限りの関係とか、放置していい相手じゃないのなら…」
「…悪かった」
「明日は一日おとなしく、明後日には恐らく出発すると思いますが、そのあとは地図上では三日は次の街に着けないはずなので何もないと思いますが…」
「…三日…か」
「だからと言って次の街に着いて早々とか…考えてないでしょうね?」
「ねぇよ、」
「ならいいんですが…」
そうして有言実行の通りに悟浄に釘を刺し、八戒はすぅすぅと寝息を立てる理世の顔を見て、笑いかけ、部屋を後にしていくのだった。