第12章 愛撫の代償
そして昼頃にようやく部屋からでて理世は一旦隣の自室に戻っていく。
「…少し…腰だるいな…」
しかしその理由は紛れもなく今朝の行為だというのは言うまでもなく事実。着替えだけすれば理世は303号室に向かっていく。
コンコン…
ゆっくりと扉が開く。
「おや、理世、どうしたんですか?」
「あの…八戒…ごめんなさい」
「何がでしょうか」
「朝ごはん…きっと呼びに来てくれたんだろうけど…」
「はい、行きました。」
「だよ、ね。ごめんね…?」
「いいんですよ。それよりも立ち話もなんですし、中、入りますか?」
「あ、大丈夫。お昼は一緒に行きたいから…また良かったら誘ってくれる?」
「…理世、一旦中で話しませんか?」
そうして促された。椅子に座れば八戒はベッドに座る。
「…すみません、どこもそうかと思うのですが椅子が一脚しかなくて…」
「大丈夫、ありがとう」
「それで、今朝の朝食の件にしても、これから先の食事にしても、一緒に摂れないのは仕方ないこともあると思います。強制も出来ません…ただ……」
「ただ…?」
「…ただ、彼にもしっかりと釘を刺しておきますが、体を壊さないように、だけです」
「ん、……って…釘?」
「はい。悟浄と一緒だったんでしょう?」
そう八戒の口から名前が出れば理世は申し訳なさそうに誤った。
「…あの、本とにいろいろごめんなさい」
「謝ること、したんですか?」
「したというか…本当は何もないとかじゃなくて…」
「はい」
「悟浄との関係…八戒に嘘ついた…」
「その理由、お伺いしても?」
優しく聞いて来る八戒。それに少し戸惑いながらも理世は話しだした。