第10章 呼び出された理由
夕食も難なく終了。八戒に理世は礼を言っていた。
「…そうですか、よかったですね!」
「ん!本当にありがとう!」
「いえいえ、僕は何もしてないですし?」
「へへ」
そう話していた時だ。
「おい」
「え?私?」
「お前以外に誰がいる」
「えと、八戒?」
「チッ…後で部屋に来い、話がある」
「…三蔵が?」
「ぁあ?」
「私に話?」
「そうだと言ってんだろうが、てめぇの耳は節穴か?」
「三蔵、それを言うなら目は節穴、ですよ?」
そう八戒が突っ込むものの、スタスタと言ってしまう三蔵に届いているのかは不思議なところだった。
「…ねぇ、私…何かした?」
「さぁ、僕的には思い当たる所はありませんが…」
「私も…でも…何もないなら…三蔵が私を呼び出すことなんてある?」
「そりゃ、何かあるんでしょうけど…」
「……いやな予感しかしない…」
「それは同感ですが…」
「本当に八戒知らない?」
「…すみません、本当に解りません…」
「……なんなんだろぉ…いやだなぁ…」
「でもいかないと要らぬ攻撃まで受けますよ?」
「それもそうだよね…」
そうして部屋に帰る前に八戒に三蔵の部屋を聞いて軽くノックをする。
「…あれ、呼び出しといて…いないのかな?」
部屋番号をもう一度確認する。
「301、間違いない…」
そうしてコンコン…ともう一度ノックをすれば時期に扉が開く。
「入ってこればいいだろう」
「返事もないままに入れないよ」
そうして促され、理世は三蔵の部屋に入っていった。