第8章 温もりを求めて
丁寧に愛撫が始まれば理世は悟浄に声をかけた。
「ごじょ…」
「ん?何?」
「今日は…その…」
「んー?何?」
「……ひかない?」
「なんだよ」
一旦離れ、顔を覗き込む悟浄。潤み始めるその目で見つめながら理世は頬を真っ赤にしながら意を決して話し出す。
「…私…から…その…シたい…」
「ん?」
「だから…ッ…!その…」
「シてくれんの?」
「…ん…」
その言葉を聞いて口角を上げればゆっくりと体を起こす悟浄。そのまま乱れた服を整えることもせずに理世を起こし、両肩に腕を乗せた。
「…どうシてくれんの?」
「どうって…その…頑張る…」
「クハ…頑張るって…んじゃ、任せていい?」
そういわれて悟浄の服に手をかける理世。脱がせれば露わになるその体。
「…あー、わり…やっぱ…ちょっと待ってな」
「え?」
「…シャワー位浴びさせて?」
そういうとぽんっと頭を撫でて悟浄は浴室へ。待ちきれなくなった理世はそのまま後を追う様に浴室に向かった。キュッと閉めたのか、水音がしなくなったタイミングでノックした。
『…どうした?』
「…はいっていい?」
『だぁめ』
そういわれるものの、時期にシャワーの音がまたする。ガラスの向こうで髪をバサッと振り上げるしぐさが陰で見えた。
「…ッッ…」
かちゃりと開ければ背中から巻き付いた。
「…こぉら、だめだって言ったろ?」
「だって…」
「しかも服、濡れてんじゃん…せめて脱いで来いよ」
「ごじょぉ…」
「それとも…そんなに早く俺に触れたかった?」
「…ん」
そう返事をすればきゅっとシャワーを止める悟浄。腕を緩めれば壁に押さえつけ、服の裾から手を探り入れる。