第8章 温もりを求めて
そして翌朝、何もなかったかのように出発する一行。森を出れば時期に開けた場所に出た。
「なぁ、あれって…」
「案外近くだったんですね…」
「チッ」
「なぁんだ!!!だったら早く行こうぜ!腹減ったよぉぉぉ」
「悟空そればっか…」
そうして車を走らせる。十分ほどで目的としていた大きな街に着くことができたのだった。
「さて、じゃぁまずは…」
「飯ーー!!」
「ですよね…いいですか?三蔵」
「あぁ」
悟空を黙らせるため、というほどの単純明快な理由だったものの、先に食べ物屋に入る。あれも!これも!と注文し、見ている間にテーブルの上が食べ物で埋め尽くされた。
「…にしてもよく食うなぁ…」
「本当にね…」
「てか、理世はもっと食った方がいいぞ?!」
「そうかな?これでも結構食べる方だと思うけど…」
「まぁ、俺的にも?もう少しこう…」
「悟浄の趣味は聞いてない」
「…はぁ?」
「だってどんなに頑張ってもバストの成長期は止まってるみたいなので…」
「寂しいねぇ…」
そう言いながらも悟浄の視線は店員のはちきれんほどにたわわな胸に視線を取られる。
「…理世…本当に僕の勘違いだったみたいで…」
「全然だよ…大丈夫」
「…・・あ!三蔵!俺これも食いたい!」
「うるせぇよ」
そんなこんなで十分たっぷりとした食事時間を取った一行。
「それで、どうしますか?」
「先に宿取るぞ」
「三蔵?買い物は?」
「俺は部屋で待つ」
「……・・でしょうね」
「俺は散歩かな」
「ナンパの間違いだろ?悟浄は!」
「理世?あなたはどうします?」
「私は八戒とお買い物行きたい。ほしいのもあるし…」
「それじゃぁ行きましょう。悟空?あなたはどうしますか?」
「俺もたまにはフラフラどこか行ってみたい!」
「分かりました。ではとりあえず皆で宿に行って部屋を取って、それから別行動、ですね」
「あぁ。構わん。あ・・」
「はい?」
「煙草」
「……はいはい」
「だったら三蔵もいけばいいのに」
「何か言ったか」
「うん、三蔵もいけばいいのにって…」
「おじいちゃんなんですよ理世、三蔵は」
「そっか…」
「おい…てめぇら…」
ワイワイ話をしながらも宿屋に向かった。