第7章 続く野宿
「あーー!!来た来た!」
「おー、猿、迷子になってるかと思ったゼ」
「猿っていうな!……って、理世?」
「へ?」
「何かあった?」
「何って…なんもないよ?」
「そうか?なんか…」
「だ、いじょうぶ。薪が重くて…」
「女に持たせるとはな」
「うっせー、何にもしないてめぇよりかはマシだろうが」
「…フン…」
そういい合っている三人をみて八戒は理世に問いかけた。
「…理世?少しいいですか?」
「あ、何?八戒」
「…あの、本当に悟浄と何もありませんか?」
「何もって…あ、少しぎゅっとはしてもらったけど…」
「…ぎゅっとって…」
「ハグ?」
「…あ、なるほど…」
「さっきも、何か私が見間違えて…悟浄に巻き付いちゃって…そしたら大丈夫だって…抱きしめてはくれたけど…それで我に返ったら恥ずかしくなってかき集めちゃって…」
「それをそのまま持ってきた、と」
「ん…途中までは悟浄がちゃんと持ってくれてたんだけど…」
「じゃぁ、今朝は?」
「え?」
『今の事は納得しました』と言わんばかりに八戒は確信について来る。
「…今朝も、何かあったんじゃないですか?」
「今朝…あ、あれは…」
「あれは?」
「寝相悪すぎて…上着がまくれあがってて…それ指摘されて…恥ずかしくて…結局夜いたみたいだから…」
「なるほど、すみません、変なことを聞いて…」
「ううん…私もなんか…ごめんね?変な勘違いさせちゃって…」
「いえ、これで納得いきましたよ。」
「え?」
そういうと八戒は悟浄に聞いたことを話した。
「・・・・それで、悟浄は?」
「何もなかったって…事?と濁すような変な感じだったので…」
「そっか。」
「でも、少なくとも理世の胸元まで見たというのは確かに言いにくいですよね…」
「八戒!!」
「あぁ、すみません、つい」
そうして八戒の誤解もほぼ解けたと思っていた。こうして残り僅かの食料を分け、夜を過ごすのだった。