第46章 再会
「ここでずっと悟浄の事待ってたん…ッ」
ふわりと抱き寄せられる理世。背中越しからでも解るほどの悟浄のドクドクと煩いほどの鼓動が伝わる中、理世はふと視線を落とした。
「…ッッ」
「理世?」
「まって…悟浄…」
「んー?」
そっと左手を取れば手首についているブレスレットをそっと撫でてみる。
「…コレ…まだついてたんだ…」
「まだって…」
「沙烙に聞いたの。これくれた時に。」
「…そっか…」
「悟浄とは違うなって…そこから始まって…」
「違う…?」
「あいつは自分で結べなかったんだって」
「あー、そうだな…」
「でも誰に結んでもらったの?」
「……誰だと思う?」
「解らないから聞いてるのに…八戒とか?」
「残念。」
「……もしかして…三蔵?」
「…クス…珍しいだろ。あの三蔵が、結んでくれてんの」
それを聞いて理世もまた嬉しくなっていた。
「…なんだか嬉しいね」
「そうかぁ?渋々だったぜ?あいつ」
「渋々でもいいじゃん。なんか『貸せ』とか、『さっさとつけろ鬱陶しい』とか言われたんだろうなぁって思うと嬉しくなる」
「それって俺がいじめられて嬉しいって事かぁ?」
「じゃなくて!」
こつりと肩に凭れる様に凭れていく理世。
「…ずっとこんな風に笑える日が来ないかなって思ってたから…」
「…だったな」
ゆったりと腕を回す悟浄。すり寄る様にして理世もまた背中に腕を回した。
「…悟浄…ッ」
「ん?」
「……もう一回…キスしたい…」
「いくらでも」
そう笑い合ってゆっくりと背伸びする理世。腰を抱き引き寄せれば重なる唇。ゆっくりと重なり、離れてはもう一度…と何度となく重なっていく。理世の腕もいつの間にか悟浄の首に回っていた。