第46章 再会
「でも、そのたびにあの子は言ったんだよ…『待つんだ』って…」
そう詩氾に聞かされた悟浄だった。
「…で、あの青藍ってのと理世は…仲良かったのか?」
「あんたが居なくなってからは心のよりどころみたいに見えていた。」
「…そっか…」
「でも…」
ふと笑いながらもまっすぐに悟浄を見つめて詩氾は言葉を続けていく。
「…さっき、あんたが戻ってきて…その時のあの子の顔を見て…態度を見て…本当に待ってたんだなって思ったんだ」
これまでの一年間の理世の事を話してくれる詩氾。それをじっくりと聞く悟浄。しかし理世の方が早く、戻ってくる。
「…詩氾!」
「ん?どうしたんだい?」
「あの…ここにいるって話…」
「あぁ。知ってる。」
「え、理世?」
「悟浄、少し待ってて?」
「待たすことも無いだろう?」
にこにこと笑っている詩氾。確かに前から話していたことだった。
「…『思い人が帰ってきたらここを離れる』…だろ?」
「…ん。でも…」
「私ならもう大丈夫だよ。この村の奴らも同じことを言うだろう。」
「…ッッ」
「明後日だろうねぇ。理世がここを離れるのは…」
「ん…そうだと思う…」
「解ってるさ。」
そういえば立ち上がり、ポンと頭を撫でていく。
「それじゃぁ、理世?積もる話もあるだろうから、家に案内してやったらどうだい?」
「…ん」
そう返事をして理世は悟浄に声をかける。
「…いこっか!」
「んー」
そう返事をして悟浄も立ち上がる。家に連れて行けば切れインいされているその部屋にわずかながら口角を上げる悟浄。