第7章 続く野宿
そして妖怪に襲われた事もあり、予定よりも少し早めに出発した一行。
「いやぁ、着いてすぐに買い出し行っておいて正解でしたねぇ」
「ホントそれだな」
「にしても、妖怪に襲われた事があまり無かったんでしょうか、警備というか、あっけなかったですし」
「それもそうだな…」
そうしながらも次の街は意外に大きいみたいですよと告げる八戒の言葉にあれやこれやと妄想を繰り広げる五人だった。
しかし、次の街までの距離はそれなりにあった。
「なぁあー!今日の夜には着くー?八戒ぃぃ」
「その予定ではあるんですが…」
「大分走ってんぞ?道あってんのか?」
「その筈なんですが…」
そう、もう既にあたりは暗くなり野宿二泊目になろうとしていた。
「すみません、今日も野宿、ですかね」
「仕方ねぇだろ」
「うぇー……飯はぁ?」
「貴様がほとんど食っちまってんだろうが!」
「だって腹減ってんだもんよ…」
「キャンプだよね、なんだかんだ」
「たく……」
理世の言葉を聞きながらもジープを停めて白竜の姿に戻れば本格的に暗くなる前にと薪を拾い集めに向かう、悟浄と悟空、理世。三蔵と八戒は辺りの整備を始めるものの、三蔵は木に凭れ座り込んだ。
「三蔵も少しは手伝ってくださいよ」
「ぁあ?」
「悟空くらい残せばよかったですかねぇ」
「…フン…」
ため息つきながらも八戒は淡々とこなしていく。しかし、時期に悟空がひとり戻ってきた。
「あれ、悟浄と理世は?」
「一緒じゃなかったんですか?」
「途中ではぐれた」
「まぁ…これで悟浄と理世が離れ離れになってない事を願うしか無いんですが…」
「あのバカが女一人にするわけねぇだろうが」
「それも、そうですね」
そう話しながら悟空が集めた薪を元に火を起こし始めた。