第45章 迫りくる決断…
「お待たせーー!!って…二人とも何真剣な顔してるの?」
「あ、いや…」
「せーらんと詩氾ね?理世のこと話してた!」
ひょこっと羽桜が顔を出した。
「…そっかぁ…羽桜は今日…」
そう理世が聞きかけた時だ。
「…ママ!!じゃぁね!理世ちゃん!詩氾!せーらん!」
『ばいばい!』と手を振って羽桜はその場を出ていった。そのせいもあってその場には詩氾、青藍、そして理世の三人だけになった。
「…あのさ、理世」
「ん、言いたいことは解るよ?だけど…詩氾には前にも言ってるんだけど…」
「それ以上はいい。」
「いいっていうか…青藍の気持ちも考えないでそういうのはいいって言ってるんだよ。もし青藍に好きな人が居たらそういうの青藍にかわいそうだよって…」
「……え?」
青藍は少し驚いた表情を見せた。茶化しているわけでもなく、ただ、純粋に自分の事を心配している様にも見えたのだった。
「…理世、青藍はね?」
「詩氾…?詩氾の心配は解るよ?でも、青藍の事もあるし、私も悟浄を待ちたい…それだけ…」
「…理世…」
そういえば青藍はゆっくりと口を開いた。
「…俺は理世の事が気になってる」
「…へ?」
「気付いてなかったのか?」
「…ごめ…ッッ」
どうしたものか…と迷っていた理世の顔を見て、詩氾はゆっくりとたちあがった。
「私は向こうで食べるさ。二人でゆっくりと話したらいい」
にこりと笑って詩氾は部屋を変えていった。
「…あ、の…青藍?」
「…あぁ。だから…その…」
「詩氾に何か、言われた?」
「そうじゃない…俺は…はじめからずっと理世が気になってた…」
「…ッッ」
思いがけない告白に理世は俯くしかできずにいた。