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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第41章 再建


その日を境に私はいろんなことをした。大人たちが必死に再建している間に子供たちの相手をすること…
それに、赤ちゃんの世話…やったことはないんだけど…それでもおむつを替えたり、手探りだった。

「おーおー、理世。今日も遊ばれてるな」
「遊ばれてるんじゃないの、遊んでるの!」
「そうかそうか。」

子ども扱いもいい加減にしてほしい…沙烙のバカ…

そう言いたいけれど、沙烙は私よりもやっぱり子供たちの扱いがうまくて…それを見よう見まねでしてるだけなんだけど…

「…理世?ちょっといいか?」
「ん、何?」

青藍に呼ばれて私はそっちに動く。こうして少しずつ村がもとに戻っていく。再建なんて立ち会ったことも無い。だけど…こうしてまた皆の思いが詰まった村が出来上がっていく。

妖怪たちだけの中にいる人間は私と恒天部隊の人以外はいなくなっている。だからこそ、『人』は貴重で…でも…

沙烙は一切恒天部隊に誘ってはこない。

「…多分…私が三蔵側だからかな…」
「何がだ?」
「…ひゃ…」

背後から声がしたのは波珊だった。

「…え、っと…何?」
「俺のセリフだ。何が三蔵側って…」
「…・・あのね…?」
「あぁ」
「私、人間でしょ?それでも恒天部隊に誘われないのは…三蔵側からかなって…前に沙烙に言われたの。『理世は玄奘から預かった大事な女だ』って…三蔵にしてみたら大事かどうかは解らないけどさ?」

そう続けながらも私は仕事の手を止めなかった。

「…そういう事か…」
「ん?それ以外にあるのかなって…」
「いや、そうなんだが…」

どことなく端切れも悪く感じた。
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