第41章 再建
気付けば直に空になるおにぎりと卵焼き、そしてお茶も空になりかけていた。
そこに沙烙が嬉しそうに近づいて来る。
「理世?ありがとう」
「ううん。今の私ができる事ってこの位しかないなって…ただでさえ面倒くさい位に迷惑かけたし…」
「いや。皆の食を考えられるのはそうそう出来る事は出来ないことだろう?それに私は言ったはずだ。」
「…へ?」
「どんなことでもいい…仕事をしろと…」
「…ん、そうだね…」
そうだ…沙烙に言われていた。村に入る時の掟…
『どんなことでもいいから仕事をしろ』
でも私に出来る事なんてないものだと思ってた…でも詩氾と出会ったからこうして食事に対しての意識も変わった…忘れたわけじゃない…悟浄や、三蔵の…八戒と悟空のいる場所も居場所であって、大事な帰る場所。でも今は…この村が…詩氾や沙烙…波珊達のいる恒天部隊が私の帰る場所になってるって事…
「ありがとう…沙烙…」
「何もしてないさ、私は」
「…そっか…」
そう返事をして私は片付けに向かっていく。
「…玄奘の言ってた通りだな…」
何か言われた気がした…
「沙烙、何か言った?」
「いや、何も言ってない」
何か言ってた気がしたんだけど…気のせいかな…
そう思いながらも洗い場に向かうのだった。
少しずつ…自分の出来る事をやればいい…皆…今は誰もが自分の事でいっぱいになってるんだから…だからそういう事には自分も恥ずかしくならなくてもいい…
自分の出来る事を、助けれることを…
一生懸命やりきるんだ…