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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第41章 再建


「面倒な女だからってのもあるし…沙烙以外は皆男性だしね。何も力も無ければ武装も出来ないからさ」

ははっと笑うしかなかった。三蔵達と一緒に居る時でも何度も思った。何か力になればいいのに…と。いつもジープの上で三蔵が残ってくれて…それでやっとここまでこれたんだから…

「…でも、それだけじゃないと思うぞ」
「…え?」
「沙烙もさ、玄奘が同のって言ってると思うけど、それよりもケガさせれねぇって思ってるんだと思う。」
「…でも、それでも必要であれば・・」
「あのな?理世」

そう言って波珊はシンクに凭れながらも顔を私に向けてゆっくりと話し出した。

「…それぞれ自分の戦い方がある。俺は全力で沙烙を守りながらも恒天部隊の特攻隊として進むのが戦い方。沙烙はそれこそ恒天経文を使って守りながらも銃を使って進んでいく。それだけ聞けばやっぱり力がすべてだと思うけどよ?そうじゃない。家を守ってくれるもの。子供を守ってくれるもの…飯を用意して皆の力を守ってくれるもの…いろんな戦い方がある。」
「…波珊」
「だから理世も力だけに頼らなくてもいい。自分の方法で…自分が出来る方法で、『何か』を守ってくれたらいい…」

そう告げれば波珊は『よっと…』と軽く伸びて、首を回し、離れようとしていた。

「…波珊」
「んぁ?」
「ありがとう…」
「何がだ」
「んーん、…ありがと。なんでもいい…」
「最後のなんでもいいって…」

くすくす笑いながらも頭をポンっと撫でて離れていこうとした。

「あ、波珊」
「なんだよ」

ととっと近づいて私は小さなチョコレートを波珊に渡した。

「…コレ…なんだ」
「甘いお菓子。」
「は?」
「沙烙にあげたら喜ぶよ」
「…は?なら自分で渡したら…」
「突然の小さなサプライズは恋を応援してくれますよ?」
「…ッッ?!それ…どういう…ッッ…」
「好きを応援しますよ」

フフッと笑えば波珊の背中をポンっと押して後押しをしたのだった。
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