第6章 思いがけない行動
しかし、悟浄的には予想だにしなかったのは、部屋を出た瞬間から始まった。
「…おはよう!八戒!悟空!」
「おはようございます、大丈夫ですか?」
「ん?何が?」
「体調が悪いとか…」
「ごめんね?そうじゃなくて…ちょっと寝坊しちゃって…ごめんなさい…」
「それだけならいいんですが…」
「理世が珍しいな!三蔵の寝起きが悪いのはいつもの事だし…、悟浄が部屋にいないとかも当然なんだけど…」
「でも、悟浄は昨日いたみたいですよ?」
「え、大丈夫だったか?!理世!」
「はい?何が?」
「エロいことされてない?!」
「まったく!!」
「そっか…ならいいんだ!」
そう話をしている悟空と理世を見て、八戒の頭には『???』と疑問符が飛び交った。
「…あの、悟浄?」
「んぁ?」
「本当に何もなかったんですか?」
「…んー、ないって言ってんだろ?」
「えぇ、おそらく何かあったのかと思ったのですが…」
「……・・・さぁ、どうなんだろうなぁ…」
少しくらいはためらったり口籠ったりするかと思った悟浄だったものの、そういったことなど全くみせない理世。それどころか、『何もなかった。』と言いのける始末だ。
「…あれは俺の幻か?」
「やっぱり何かあったんですか?」
「……いや、なんだろうなぁ…って…」
そう話している二人。聞いてるか聞いてないかわからない三蔵が眠たそうに一番最後からついて食堂に向かっていく光景だったのだ。