第6章 思いがけない行動
二人が初めて肌を重ねた翌朝。先に起きたのは悟浄だった。
「…フゥゥゥ…」
煙草に火を点けて、窓の外に向かって噴き出している。
「…ン…」
小さく寝返りを打ちながらもゆっくりと瞼を開けるのは理世だった。
「…おはよ、起きた?」
「あ、…悟浄…ぉ」
「ん、体は大丈夫か?」
「ん、大丈夫」
そうしてゆっくりと体を起こせば体が多少だるいこと以外はそれほどいつもと違いはなかった。
「…ん、ならよかった。」
「……あ、」
自身のおかれている格好に気付いた理世はそそくさとシーツを巻き付ける。
「…気にしなくても…」
「明るいの」
「フッ…気にしなくても…」
「します」
「クスクス…」
そんな時だ。コンコンっと戸をノックする音がする。急いで理世はシーツの中に丸まっていき、代わりに悟浄が扉に向かっていく。
「…おや、あなたがいるとは」
「ひでぇ言い方だな。おい」
「……・・・」
「何、どうかした?」
「いえ、そろそろ朝食にしようかと思ったのですが…」
「あー、わかった。起こしていくわ」
「お願いしますね?」
そう返事をすれば八戒は部屋を後にするのだった。扉が閉まったのをしっかりと確認をして悟浄はベッドの隅に腰を下ろした。
「だってよ」
「……わかった…」
「どうする?」
「行く」
「起きろって」
「起きてるよ…」
そう返事をする理世にクスクスと笑う悟浄だった。