第40章 不安な日々…
そこから恒天部隊の働きは村の修復に入っていった。
「…おーい!こっち!」
「おぅ!」
人数もどんどんと減っていた。お世話になっていた翔宇もなくなっていたため、食堂は壊滅的になった。
「…悪かったね…理世」
「ううん…詩氾…大丈夫?」
「あぁ、…いつかはこんな日が来るんじゃないかって…思ってはいたさ。でも、案外急に来るもんだね…ぇ」
「詩氾…」
「理世…もう私に構う事はなくていい」
「…そんな事…ッッ」
そういう詩氾の手を取って私はつづけた。
「…もし、もし詩氾さえよかったら…私まだここに居てもいい?」
「…え?」
「もちろん翔宇の代わりになんてできない。でも、ゆっくりと回復していって、もし出来るなら一緒にくらせたらなって…」
「…理世」
「とはいっても悟浄が帰ってくるまでっていう事になるだろうけど…」
「…十分だよ…」
そう言って詩氾がきゅっと手を握り返してきた。
そうだ…泣いてばかりはいられない…
悟浄が…みんなが帰ってくるまで…私は生きなきゃいけなくて…その約束の地がここなんだから…
それに…私の事を一生懸命考えてくれる人がここにいる。詩氾が居なければ…翔宇が居なかったら…私は野垂れ死んでたかもしれない…いくら三蔵付きだったから…沙烙の口添えがあったからと言って…見ず知らずの『外』の人間を受け入れてくれたのは…
詩氾と翔宇だった…
なら今度は…私が心によりそう番だ…
じゃなきゃ…罰が当たる…
「…逆に居させてくれてありがとう…詩氾」
「こちらこそだよ…理世。ありがとう…」
そうして一緒に時を過ごす様になったんだ…