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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第35章 もう一人の三蔵


そして翌日、、もう一日ゆっくりとしてその街を出た。

「…なぁ八戒?」
「はい?」
「こっから次の街までって…どの位かかるんだ?」
「三日、といったところですかね…」
「えぇぇ!!三日?!」
「えぇ。それでも結構急いだ感じでですが…」
「そっかぁ…」
「…何々、どうかしたの?」
「理世…なんかさ?疲れた…」
「疲れたって…まだ街出てから三十分くらいしかたってねぇだろ」
「…そうなんだけどさぁ…」
「異変の影響でしょうか」
「なんでもかんでも異変のせいにするんじゃねぇよ」
「それもそうなんですが…悟空ほどの力の持ち主だと影響あるのかなって思ったりもしちゃいまして…」
「大丈夫だろ。」
「なぁ、三蔵…」
「なんだ」
「腹減った…」

『思った通りだ…』と言わんばかりの三蔵のため息を聞けばフフッと三人は笑いをこらえるのに必死だった。

***

珍しく妖怪の奇襲もなく、順調すぎるほどに次の村に着いた。

「…さほど大きくもないですが…」
「…・・・守られてるな」
「そうですね…」
「あー!!三蔵様!!」

そう言ってまだ小さな子供たちが近寄ってくるものの、その顔はゆっくりと不安げに変わっていく。

「…え、」
「何?どうかしましたか?」
「…三蔵様じゃない…」
「ぁあ?」
「偽物だな!?」
「何言ってやがる、このガキ!」
「だって…!!偽物だろ!!」

そう言い放つ子供たち。そんな中で大人たちが集まってきた。

「…これはこれは…確かに似ておられるが…」
「沙烙様とお知り合いでしょうか…?」
「…しゃらくって誰だ?」
「…知らないですね…」

そう話している時だった。子供達の目が一気に輝いた。
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