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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第34章 デジャブ


茶化す様に悟浄は話し出す。

「…ん、でも…同じ名前で…容姿も変わってないんでしょう?」
「あぁ。何も変わっちゃねぇよ」
「…なのに…どういうことなのかはわからない…けど…私は今のこの世界線での自分が幸せだって思えるよ」
「…んーん」
「…悟浄…」
「んぁ?」
「悟浄に会えて、三蔵に会えて…八戒や悟空に出会えて…それで私を連れ出してくれて…本当に嬉しく思って…」
「おいおい」
「…その記憶はあるから…」
「理世?」
「別れが近いってなっても大丈夫…」
「…ッ」

そっと巻き付く理世の背中に腕を回して悟浄もまたゆったりと優しく抱きしめた。

「…すぐじゃねぇって三蔵も言ってただろ?」
「ん…」
「だから…その時までは俺が一緒に居る。隣にいる。」
「…それ以降は…?」
「待っててほしいって言ったら…待っててくれるか?」
「…ッッ…ごじょ…」
「全部終わって…俺が理世の待ってくれてる街だか村だか…そこに帰るまで…待っててほしいって言ったらよ?待っててくれるか?」
「…NOっていうと思う?」
「聞いてみなきゃ分かんねぇだろ…」
「…待ってる…ずっと…」

そう話してゆっくりと腕を緩めれば理世は悟浄の頬に手を滑らせた。

「…全部覚えてる、悟浄の目も、唇も…この髪の色も…」

さらっと指を通せば嬉しそうに笑う悟浄。

「それってよ?俺のセリフじゃねぇ?」
「クスクス…そうかもね」
「でも、俺的にはよ?」

そういえば額にこつりと合わせた。

「…それだけじゃなくて、俺の熱も覚えていてほしいわ」
「…忘れられると思う?」
「出来ねぇな」
「…ん、悟浄に全部教えられたから…」
「俺なしでイケるか?」
「どっちの意味よ」
「…さぁな?」

そんな長髪めいた言葉を吐きながらも悟浄は再度キスを落とすのだった。
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