• テキストサイズ

緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第34章 デジャブ


ーーー・・… 一年ほど前 …ーーー・・

「あの、お願いがあって…」
「…ぁあ?」
「私も一緒に行ってもいい?」
「…は?」

ある街に三蔵一行は行きついた。その時に食事に入った料理店で理世はウェイトレスをしていた。仕事終わりに出街をして、三蔵を捕まえたのだ。

「…なんで俺がお前を連れて行かなきゃならん」
「ほら、私ずっとここにいたから!ごはんとかおいしいの提供できると思う!」
「却下」
「…男ばっかなのに…?」
「関係ねぇよ。遊びじゃねぇんだ」
「…でしょうね」
「は?」
「もし仮に遊びだとして…こんな趣味趣向の全く違うチグハグ集団が一緒に旅行なんて言ったら笑っちゃうけど」
「喧嘩売ってんのか…てめぇは…」
「それ、よくないよ」
「ぁ?」
「私には工藤理世って名前があるの。てめぇじゃない」
「……ッッ」

そんな出会いが三蔵との出会いだった。そこから三蔵たちが行く先々になぜか現れる理世。

「…ねぇ、連れてってよ!」
「今日も好かれちゃってんねぇ、三蔵サマ」
「でもさ!理世の作る料理ってマジでうまいよ?!」
「確かに。買い出しや料理担当とかしてもらえるなら僕も助かりますが?」
「だからってなんのとりえもねぇ奴連れて歩けるか!」
「取りえ、あるよ?」
「ぁあ?!」
「料理と愛嬌と、皆にハッピーあげれるよ?」
「…話にならん」
「なんでよぅ!」
「それにだ、お前にも家族があるんだろうが!」
「ないよ?」

その一言で三蔵は言葉を飲み込んだ。
/ 303ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp