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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第33章 現れた刻印


ゆっくりと、しかし名残惜しそうに肩を押し戻した悟浄。そっと頬に手を滑らせていく。

「…俺はよ、抱けなくても好きなのはお前だけだし、離すつもりだってねぇよ…でもよ…ッン」

たまらなくなったのだろう。理世はそっと近づいて言葉を遮る様にキスを重ねた。

「…理世…ン」

いつもと違う・・---悟浄がするような…そんな初めから深いキスを理世が仕掛けてくる。珍しく悟浄がされるがままになっている中でゆっくりと唇は離れた。

「…理世?」
「…そんな事…言わないでよ…」
「ん?」
「妖怪だって…人間だって…それで悟浄が何か変わるの…?」
「変わるかどうかっていわれりゃ…そんなに変わらねぇけどよ?」
「だったら…!!…だったら…私の好きな人でしょ?」
「…ッ」
「妖怪だから嫌いになって…せめて半妖でも、人間だから…好きで…そんな簡単じゃないの…!…私は…あなたが…悟浄が好きで…傍に居たくて…」
「…理世」
「そうやって名前呼んでくれる声が好きで…」

そこまで言えば首に巻き付いていく。

「…いつだって…触れてくれる手が優しいのは知ってるんだもん…それに…半妖って言っても…半分は妖怪だって分かった上で、私は好きになってたんだもん…止められなくて…すごく…好きで…だから…」
「分かった…俺が悪かったな…」
「…ッッ…好き…どんな悟浄でも…はじめは…驚いたけど…それでもやっぱり悟浄が好き…三蔵の話聞いても…それでも…」
「…ん」

背中に腕を回して、悟浄は宥める様にして優しく撫でていた。

「…わりぃ…」
「…バカ…」

そう呟いていた。
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