第33章 現れた刻印
「しかし…」
「俺の方は構わん。あとでも」
「…解りました。」
「あ、すぐ終わるからここで良いよ…あのね?悟浄の首元にタトゥー…かな?いつ入れたか解らないんだけど…」
その理世の言葉を聞いて八戒は息をのみ、三蔵に目配せをした。
「…ハァ…いいのか悪いのか、って感じですね。三蔵」
「あぁ」
「え?何?」
「今その話をちょうどしていたんです。」
「…やっぱりいつの間にか入れてたんだ…?」
「じゃなくて、ですね…」
「…行くぞ、八戒」
そうして三蔵が立ち上がり、珍しく部屋を後にしてツインの部屋に向かっていく。
コンコン…
「んぁ?ってなんだよ、揃いもそろって…」
「後ろ向きやがれ」
「…え?」
上半身裸のままの悟浄を強制的に後ろに向ければため息を吐く三蔵と苦笑いをする八戒。訳が分からない理世と悟浄はどうしたものかと思っていた。
「…理世、あなたの別れは些か早まるかもしれません…」
「え?」
「つぅか、部屋、分けろ」
「はい?」
「あの、ただのタトゥー…でしょ?シールかもしれないし…」
「理世、これは違うんですよ」
「え?」
「妖怪の証だ。」
そう続けてくる三蔵の言葉に悟浄はガシガシと頭を掻きだした。
「…とか言ってもよ?別に今のところ何も異変らしきもんは何もねぇけど?」
「そうかもしれんが。ただてめぇは何もつけてねぇだろ」
「…何もって…」
「悟空は額の金鈷、八戒は耳のカフス…これがこいつらの妖力制御装置になっている。それがあるからこそ、普段は人間と同等の容姿に、力もそれほど抑えられてるって事だ。でも、こいつは半妖だからってのもあって制御装置がねぇだろ」
「…それは…そうだね」
「いつ暴走するかもしれねぇ。」
「暴走って…」