第33章 現れた刻印
それぞれ部屋に入り。理世と悟浄も荷物の整理をしつつ、必要なものを取り出そうとしていた時だ。
「…ねぇご、じょう…って…」
「んぁ?何?」
「座って?」
「ぁ?何々」
そう言ってベッドの淵に座らせれば理世が後ろに回る。
「…何?珍しく積極的?」
「…じゃなくて…」
するっと首元の髪を避けた理世。不思議に思いながらも理世は悟浄に申し伝える。
「…ねぇ悟浄、服脱いで?」
「は?何、どうかした?」
「いいから…脱いで?」
言われるままに服を脱ぐ悟浄。その様子を見ていた理世は不思議そうに『そこ』に触れた。
「…痛くない?」
「何がよ」
「…ここ…」
ツ…っと指で触れれば別に?と答える悟浄。
「…何が言いたい訳?」
「…ここ、タトゥー入れた?」
「…ぁ?入れてねぇけど?」
「だって…ここ…」
そういえば理世はきょろきょろとあたりを探す。
「…新手のお誘いか?」
「違うって…なんかこう…なんて言ったらいいのかな…」
「…マジ?」
「ん、ホントに…」
理世の表情からして悟浄も茶化せなくなっていた。
「…マジか…」
「え?」
「痛くはねぇよ。大丈夫。」
そういわれた後、理世は隣の部屋に行くと伝えて悟浄をそのまま放置した状態で部屋を後にした。
「…確か八戒隣の部屋だよね…」
そう呟きながらもコンコンとノックをする。しかし部屋からだれも出てくる気配すらもなかった。その為、さらに隣の部屋に向かっていく。
コンコン…
「…おかしいな…」
「…はい?」
そうして三蔵の部屋から出てきたのは、先ほど訪ねた八戒だった。
「…ごめんね?邪魔して…」
「大丈夫ですよ、どうかしましたか?」
「あの…ちょっと聞きたいことがあって…」
「後で、でも大丈夫ですか?」
「…無理…かも…」
そう言って俯くことも無いままに理世は八戒に頼んだ。