第5章 キスで酔わせて
「舌、出して?」
「…ッッ…」
悟浄のその言葉に誘われるようにして理世はゆっくりと舌先を出しかけた。・・その時だ。
「ン…ッフウ」
ちゅくりと一瞬で絡め取られ、何度も絡めていく。酸素を欲しがる様に理世は悟浄の腕にすがる様にして掴んでいた。
「ん…ハァ…腕、こっち」
一瞬だけ離れ、悟浄が理世の腕を取って自身の首に回す様に促してくる誘われるようにして理世はきゅっと首に回し、離れないように再度引き寄せた。
くちゅっと唾液の混じる音が静かな夜、その部屋にただ響いて来る。すごく大きな音の様に互いの耳にはそれが響かせていた。
どれくらいの時間がたったのだろうか…はぁ…っとどちらからともなく唇が離され、二人を繋ぐ銀糸を悟浄が指で拭った。
「…満足した?」
「…ッ…」
「キス、好きなのな」
「好きかは…わかんないけど…」
「そう?その割にはめっちゃ求めてくれてたけど?」
「……ッッ」
「理世?」
今更になって恥ずかしくなってきたのだろう。手で顔を隠すように覆った理世を見てくすっと笑えば悟浄はその手を払いのけた。
「…隠さなくてもいいだろ」
「だって…」
「めちゃくちゃかわいいけど?今の顔」
「…そんな…ッ」
「続き、する?」
「…続きって…」
「ここまでしたらどうせならと思って?」
「……」
無言のまま小さく頷く理世を見て、悟浄はにっと口角を上げた。
「…俺が脱がしていいの?」
「ぬが…して…」
「…オーケー…」
しかしうまく悟浄の体を見れないでいる理世。上着を払いのけた悟浄はそのまま自身も服を取り払った。