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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第28章 不意打ちの情


そして次の街に向かって出発しようとする時間になり、ジープに乗り込む。次の街に向かうものの、予定としては三日はかかると言う事だった。

「…うぇーー…三日って…結構じゃね?」
「そうですねぇ…確かにそうかもしれませんが、食料も結構買いましたし…」
「まぁ、バカ猿がバカみたいに食わなきゃよっぽどだな」
「ふん…」
「俺だけのせいにするなよな!」
「まぁまぁ、とりあえず、少しでも早くつける様に僕も、というか白竜にも頑張ってもらいますが…」
「…無理、しないようにね?」
「ありがとうございます。」

そう話していた時だ。

「…ハァ…」

大きすぎるほどの三蔵のため息と同時に八戒はジープのブレーキをかける。

「…ねぇ、早くない?」
「こんなもんだろうよ、無防備三蔵サマのご一行だ…」
「一緒にするんじゃねぇよ」
「…へーへー…」
「ほら、行きますよ?」

そう八戒が言いながらも理世と三蔵を残して三人は飛び出した。

「…ねぇ、三蔵?」
「…なんだ」
「いつもこうして残ってくれるけど…いつもありがとう」
「ぁあ?何言ってんだ、貴様は…」
「だって、守ってくれてるって事でしょ?」

そういう理世に銃口を向けるとガウン…!!とうなりを上げる。

「…あっぶな…」
「後ろの虫に食われたかったなら悪かったな」
「…クス…ありがと…」
「勝手に言ってろ」
「…でも、伝わらないと意味ないじゃん」
「…フン…」

ふいっと顔を背ければ煙草に火を点ける三蔵。それを見て理世はふふっと笑った。

「…三蔵、今日はご機嫌いいね」
「ぁ?」
「そう思っただけでーす…」
「どうでもいい…」
「意外とそういうの、よくないよ?」
「別に俺の機嫌で何かが変わるわけでもねぇだろうが」
「変わるんだよ?」
「何がだ」
「んー、ジープの空気、とか?」

そう真顔で言われた三蔵。
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