第27章 ぶつかる本音
両腕をぐっと持ち上げ、手首をきゅっとつかみ、ツッ…っと腕に舌を這わせる。
「…ンァ…」
「クス、かぁわい…」
「は、ずかしい…ッッ」
「俺的には嬉しい角度」
「変態…ッ」
「なんとでも?」
両腕の自由を奪われたままの理世は顔を背けるほかなかった。それでも容赦なく攻め立てる悟浄。二の腕、普段見えない所にまで痕を残していく。
「…なぁ?気づいてる?」
「な、にが…?」
「俺、まだ片手空いてんの」
「ッ…」
右手でするっと服の中に手を入れれば器用にブラのホックを外す。ふっと締め付けが緩み、その大きな武骨な手は胸の膨らみを捉えた。
「…ココ、もう固くなってっけど?」
「そんな事、ない…ッ」
「そ?なら確かめて…・・?」
一瞬悟浄の動きが止まった。ゆっくりと手を離せば大きすぎるほどのため息を吐いた。
「…ごじょ…ぉ?」
「わり…少し待ってて?」
「…ッッ」
「んな顔すんな、要らねぇ客だ」
ガシガシと頭を掻けば『たく…』と呟いた。遠くの方で大きな音がする。
「…たく…これからって時に…」
「悟浄…」
「待ってろ、出てくるなよ?」
そう言い聞かせて悟浄は部屋を後にする。窓から外を見れば三蔵や、悟空、そして八戒が同時に出てきていた。
遠くの方からは真っ黒にも見えるほどの妖怪の集団が街の中に入ってきていた。
「…悟浄…大丈夫かな…」
そっと手首をさすればさっきまで拘束されていた温もりがまだ残っていた。
「…ッッ」
ジンジンと疼く体の熱が収まることも無いままに理世は窓の外を見守るほかなかった。