第27章 ぶつかる本音

「てか、八戒。大丈夫なのか？」
「えぇ、だいぶ楽になってます。」
「無理するんじゃねぇ」
「ありがとうございます。」
「いいとこだったのによー、邪魔してくれて…ごじょさん、最っ高に不機嫌ですけど？準備はいいのか？」
「知らねぇよ、貴様の不機嫌なんざ」
「わるぅございましたね」
「その不機嫌はどっちのでしょうねぇ」
「これから啼かせ様としてたっつぅの…」
「悟浄ぉー！！泣かすなよ！…って誰を？」
「お猿ちゃんには早ぇ話だ」
「むっかぁ…」
「まぁまぁ、そのくらいにして、来ますよ？」

相変わらず三蔵は高見の見物状態。三人、いや、ほぼ悟空と悟浄の二人で終わらせた。

「おせぇよ」
「いやいや！！何かしたか？！三蔵！」
「俺いなくても済む話だろ」
「誰の何を狙ってきてるんでしょうかねぇ！！！」
「腹減ったな」
「ｸｽ…いつも通りですね」
「なぁ八戒？」
「はい？どうかしましたか？悟空もおなかすきました？」
「それもそうなんだけど…」
「はい？」

ちらりと悟浄の方に視線を送れば真面目な表情で悟空は聞き出した。

「…悟浄さ、理世の事泣かせるつもりなのかな…」
「はい？」
「ほら、さっき言ってたじゃん？これから泣かせるって…」
「あぁ、あれは悟浄の得意分野での話ですよ」
「…得意って…」
「ほら、男性と女性の…」
「…悟浄！！！」

そう叫べば悟空は悟浄の元に走っていった。

「…浮気とかきっと、ぜってぇ！ダメだと思う！」
「は？何言ってんの？お前は」
「だって！…え？八戒？」
「お前は何吹き込んでんだっつぅの」
「いえ？あなたが自分で蒔いた種の話ですよ」
「…は？」
「啼かすっていったでしょう？」
「それを浮気って勘違いしたっつぅの？」
「じゃなかったら理世泣かねぇじゃん！」
「バカだな」
「三蔵もそう思うだろ？」
「それ、詳しく聞きてぇなぁ」
「知らん」

ふいっと背を向けて三蔵は『先に食堂に行く』と言ってその場を後にした。