第27章 ぶつかる本音
「ちゃんと断らなかったのが…一番悪かったから…状況は変えれなくてもキスとかは…拒めたはずだったから…」
「…ハァ…」
「ごめんねって思いながらもしっかり拒まなかったから…悟浄に他の女の人が触れてるの見るだけで嫌なのに…私、三蔵の事拒まなかった…から…」
「分かった。だから…それ以上三蔵の名前呼ばないで…」
腰を抱き寄せて理世の唇に悟浄からキスを落としていく。柔らかい舌が唇を割って入り込んでくる。その悟浄の舌に応える様に絡める理世。
「…ン…フゥ…」
するっと悟浄の紅髪に指を滑らし、そのまますり寄る様に巻き付いて離れぬようにくっつく理世。ゆっくりと唇を離せば悟浄はにっと笑い首筋に顔を埋めた。
「俺のってシルシ、消えてる…」
「…ッ…ごじょ…ぉ」
「消える前に付け直さねぇとな、これから…」
「まだ…つけてくれる?」
「何言ってんの、理世チャンは…」
「…だって…浮気って言われても仕方ないのに…」
「好きな訳?三蔵の事。」
「好きか嫌いかって言ったら嫌いじゃないけど…」
「じゃなくて、」
「恋愛の好きはない」
「なら今回は見逃す…」
「ありがと…」
「その代わり…」
ゆっくりと立ち上がれば悟浄はベッドの淵に座り、誘い込む様に右手を差し出した。
「…今から俺に抱かれて?」
「…ッッ…」
返事をする代わりに理世は悟浄の横に座り、きゅっと巻き付いた。
「…クス…手、出してたのに…」
「好き…悟浄…」
「知ってるっつぅの…」
そう言いながらも『もう少し壁際…』と言って理世をしっかりとベッドに乗せた悟浄。
「…え、っと悟浄?」
壁にぴたりと背中を付けた状態の理世の前にぐっと近づき、シャツを脱がせる。