第24章 金色の温もり
「まさか理世と来る事になるとはな…」
そう呟きながらも室内のにある円柱のポールに近付く。
「洗濯…か」
サービスの一環である洗濯サービスの案内が目に入る三蔵はフロントに連絡をした。そこで詳細が解り、入浴中の理世の服をかき集める。そして自分も脱げば全て纏めてダッシュフローの中に入れた。
「おい、入るぞ」
有無を言わせないままに三蔵も中に入ると慌てた様子の理世だった。
「ち、ちょっと!何…!?」
「服なら洗濯依頼した」
「せ、んたく?」
「あぁ、乾燥までしてくれるそうだ」
「『してくれるそうだ』じゃなくて」
「濡れたままが良かったか?」
「それも嫌だけど…!」
「だから乾くまではここだな。」
何か都合でも悪いかと言わんばかりの三蔵。先に湯船に入り背中を向けている理世とシャワーだけで出ようとする三蔵だった。
「先に出る、ゆっくり入ってろ」
そうしてカラスの行水並みの速さで三蔵は浴室を後にする。
「もぉ…何で急に入ってくるのよ…もぉ…」
背中を向けていたものの、始めに突然入ってきた時に目にした無駄のない締まった体に少しドキッとした自分も居たことに驚いていた。扉の向こうでは着替え終えたのかドライヤーの音が僅かにした。
「やば…のぼせそう…」
こうしてのぼせる少し前に理世は浴室から上がる。丁寧に用意されたガウンで体を包み込み、髪を乾かすとそのままゆっくりと覗き込むように三蔵の様子をうかがう理世だったものの、そっとソファに近づいた。