第24章 金色の温もり
そうして少しずつでも買い足していく二人。
「ねぇ三蔵?」
「ぁあ?」
「何か雲行き怪しくなってきたね」
「さっさと済ませて帰るぞ」
そう話しながらも最後の店に入り、買い物を見て回る。
「終わったね!」
「さっさと行くぞ」
当たりが夜と言わんばかりの暗さの雲が辺りを包み込む。店を後にして時期にバラバラっ!!と大きな音と同時に大粒の雨が二人を襲ってきた。
「チッ…」
舌打ちをすれば理世の手から荷物を受け取り手首を掴めば走り出した。見ている間にずぶ濡れになり、雷も響き出す。
「キャッ!!」
突如鳴り響く雷鳴に理世の足は竦む。それを見て三蔵も近くにある店にと足を踏み入れた。
「少し休んでから行くぞ」
「さ、んぞう?」
「それに街外れにまで来てんだ。宿は真反対だろうが」
しかし理世は少しばかり躊躇った。それもそのはず。その場所は言う所のラブホだったからだ…
「三蔵、ここ、解ってる?」
「あぁ、心配しなくても雨宿りの間に風呂入るだけだ」
「お、ふろ…?!」
「何慌ててんだ、八戒に加えて理世まで風邪引かれたらたまらねぇからな」
「あ、そう言う…」
「それ以外に何がある、あのバカじゃねぇんだ」
そう話しながらも適当に部屋を選び中に入っていく二人。静かな音楽と一緒にただただ大きなベッドが一台、それに二人掛けのソファと液晶テレビがあるだけの部屋。
「三蔵先に入ってきたら?」
「お前からで構わん。行って来い」
そうして浴室に理世を促した三蔵。言い合いをすることもないままに冷えた体を温めたくなる理世はありがたく先に入ることにした。