第24章 金色の温もり
こうして翌日、予定通りに出発となる一行。何もないままに二日後の夕方には次の街に着いた。
「…ケホ…」
「八戒?どうかした?大丈夫?」
八戒の異変にいち早く気付いたのは理世だった。
「大丈夫?」
「えぇ、ケホ…問題は…ないと思うのですが…」
「俺…腹減った…」
「んじゃぁ先に飯でも行くのか?」
「そうは言いましても…買い出し、が…」
「二手に分かれればいいだろう」
「…お、珍しい、三蔵サマが…」
「ぶち殺すぞ」
「…夕飯は食べれそう?」
「あー、解りませんね…」
まずは…と宿屋に向かえば大きな宿屋で、宿の中に食堂も入っていた。
「…宿泊代に入ってると」
「なら先に食べてて?私買い出し行ってくる」
「まて、」
そうして止めたのは三蔵だった。
「…俺もいく」
「はい?なぁんで三蔵サマがよ」
「ん?誰でも大丈夫だよ?」
「つぅか、ごじょー、行こうぜ…」
「ご指名だろうが、そっちはよ」
悟浄に八戒の事、お願いね?と理世に言われてわかったと飲み込むしかなかった悟浄。そうして悟浄悟空組と、三蔵理世組の二手に分かれ、八戒はとりあえず部屋でおとなしく眠ることにした。
「…それにしても、八戒がって珍しいね」
「まぁな。あいつも気を張り過ぎなんだろうが…」
「張りすぎって…確かにそうかもしれないね…」
なんてことない会話であっても、三蔵と初めての買い出しと言う事もあって、理世はどことなく少し緊張した面持ちだった。
「…どうかしたか」
「あー、ちょっと緊張を…」
「ぁあ?」
「だって…三蔵って仏頂面だし、すぐハリセン出すし、何かっていうと『おい』だの『殺す』だの言うんだもん」
「・・・無駄にハリセン出すワケねぇだろ」
「それもそうなんだけどね?」
くすりと笑えば理世は見上げた。