第23章 葛藤と嫉妬
そうこうしている間にも食事処について、五人で食べる。その間にも理世は少しだけ落ち着かなかった。
「…どうかしましたか?理世」
「あ、えっと…」
「何かありました?」
「…昨日の…その、星見祭り教えてくれた人…」
「……気にすんな」
「悟浄?どうかしたんですか?」
「んにゃ?別に?」
そうして歯切れ悪い中でも見渡したところで春蘭は見当たらなかった。
「…気にする必要ねぇよ」
「悟浄…」
「気になるのもわかっけどよ」
「…フン…あらかたどうせこの馬鹿のまいた種だろうが」
「悟浄、あなたまた何かしたんですか?」
「別に?昨日ナンパして、祭り行ったんだけど、途中で俺がブッチしたんだわ」
「…それでなんで理世が気にしてるんですか」
「……それは…」
「あの時に一緒だったんだろう、どうせ」
「…大正解」
「え、え、話が見えねぇんだけど…何々?何のこと?」
「悟空、昨日途中で理世が離れたでしょう?その時に悟浄見つけていったんですが、その時一緒だった女性を探しているらしいんですよ」
「…悟浄、二股したのか…」
「サイテーだな」
「おいおい、言い方、悪意ねぇか?」
「悪意ととれるのは自業自得だろうが。」
「それで、理世はなぜその方を?」
「謝りたくて…」
「謝らなくてもいいだろ」
「…悟浄、でも…」
「どうせあぁ言うタイプは話をしようとしてももとから避けてくるか逆ギレしてくるかだから」
「どうせとか言わないで」
「理世…」
「そりゃ、確かにそうかもしれないけど、でも…」
そんな時だ。ツカツカっと一人の女性が近づいて来る。
「…悟浄」
「…っと、噂をすれば…」
そう、そこには春麗がやってきていた。