第23章 葛藤と嫉妬
翌朝、八戒の言っていた時間の十分前にはシャワーも済ませて支度を整えた二人も玄関に来ていた。
「…あっれー!?悟浄が珍しい!」
「うっせぇ、猿」
「猿っていうな!」
「おはよ、悟空」
「おう!おはよ!」
しかし、悟浄と理世を交互に見比べる悟空。
「…どうした?」
「いや、なんか…」
「ん?」
「……や、なんだろう…」
「どうかした?」
「悟浄と理世って…」
「おはようございます、三人そろってますね」
「おはよう!八戒!」
「おはようございます、理世。……で、悟空はどうしたんですか?」
「んー、なんか、悟浄と理世が、さ?」
「はい?」
「なんか…同じような…なんか変な感じ」
「悟空?それは何と言いますか」
「あ、おはよう!三蔵!」
理世が声をかけると三蔵は少しばかり目を細めた。
「…うるせぇよ」
「相変わらず低血糖…」
「低血糖じゃねぇ」
「そうですよ?低血圧なだけですよ」
「…フン…」
そうしながらも悟空のもやもやを持ったまま三蔵を加えた時だ。
「…おい、そこのバカ」
「誰の事かわっかりませぇん」
「チッ…貴様だ」
「なんだよ」
「機嫌がよさそうだが、解決したのか?」
「解決って?」
「…もう聞かん」
「うそうそ、・・悪かったな。」
「…フン…」
「まぁ、体関係?それは終わったけど」
「……けど、なんだ」
「まぁ、その」
「…濁す意味が解らねぇよ。付き合うんだったらそういえばいいじゃねぇか。ガキか」
「…ッッ…うっせぇ」
視線を合わせる訳でもないままに会話だけが三蔵と悟浄を繋ぐ。それでもどことなく照れくさそうに顔を見れずに頭をガシガシと掻く悟浄を見ても三蔵は何を言うでもなく、ただ煙草をふかし始めた。