第20章 気付いた恋心
聞けば一年に一度、この街では明かりを最小限にして星を見るという祭りがあるという。
「…なるほど、そんなにきれいに見えるんですね」
「そりゃもう!!満点なんてもんじゃない!!」
それに…と付け加えられた説明にドキリとするメンツが二人いた。
「…んじゃぁ、オネーサン、俺とどう?」
「えー?でもお客さん初めて会ったんですし…」
「いいじゃん、どうよ」
「悟浄のナンパが始まった…」
「…だね」
「てめぇはあからさますぎるだろ」
「…」
そう、聞いた話では星見祭りの中で告白をし、結ばれて一緒に流れ星を見れたカップルは運命の相手として固く結ばれるというものだった。
「…それに、旅の途中でしょ?」
「そうだけどよ?まぁ、考えといて?」
ひらひらと手を振りながらも見送る悟浄。
「なぁ悟浄?」
「んー?」
「ナンパって楽しいの?」
「人によるだろ」
「そんなもん?」
「まぁな」
「悟空は真似しなくていいですよ?」
「俺やった事ねぇから分かんねぇし」
「…フン」
「三蔵は?」
「ぁあ?」
「三蔵はナンパしないの?」
「ナンパっぽいとしたら理世相手位でしょうね」
「私?」
「あー、確かに。会って連れてく時に理世がついて来るって言ったのもあるけど、なら死んでも知らねぇがそれでもいいならって連れてきたよな」
「…・・おい」
「あ、そうなの?」
「あー、そういえばその時のきお『おい…』…はい?」
「うるせぇ…」
「クス…」
「八戒は?」
「僕もないですねぇ」
「悟浄だけか…」
「悟浄は食事と同意語ですからねぇ」
「フ…」
ワイワイと話しながらも理世は悟浄を誘うことができずにいた。