第3章 3
骨が飛ぶ。
一本、また一本。鋭く、正確に、無駄がない。
PRAYERは必死にソウルを動かす。
赤い光が震えるたびに、骨がかすめる。
サンズは黙っている。
目を細め、淡々と動き続ける。
魔法陣が次々に足元に浮かび、浮遊するBlasterが空を埋める。
PRAYERが後退する。
足元に重力が絡みつき、足がもつれる。
その瞬間、前方から骨の壁が突き上がる。
避けきれない。
「……や、やめて……!」
言葉が飛ぶ。
だがサンズは微動だにしない。
魔法は止まらない。
攻撃は止まらない。
骨のラッシュが続く。ソウルが何度も光を失いかける。
それでも、サンズの手は緩まない。
命乞い。必死な声。
でもその意味を、サンズは理解していない。
それは彼の“選択肢”には無い。
「終わらせる」
サンズの声は低く、風の中に溶けた。
目の奥にはなにもない。ただ義務のような感覚だけがある。
重力ゾーンがPRAYERを押し上げ、空中でブラスターが四方から展開。
上下左右、逃げ場はない。
光が、はじける。